通勤や通学の手段を変更しようとお考えの方で、まずは、小型AT二輪免許を取得しようと検討される方も多いと思います。
しかし、後で後悔しないためには、注意すべきポイントが幾つか存在します。
そのポイントを述べてみたいと思います。
今回は、その注意点をお伝えしたいと思います。
よろしければお付き合いください。
将来、普通二輪を考えている場合
将来的に小型AT二輪免許から、普通二輪免許を取得することをお考えの方に注意しておきたい点をお伝えします。
普通二輪免許を取得するには、普通二輪免許のコースではなく、小型AT二輪免許の制限を解除するためのコース、通常「限定解除コース」と呼ばれる審査コースを受ける必要があります。
限定解除コースにおける留意点の一つは、教習時間が最短でも8時間と非常に短いことです。
初めて耳にすると、短時間で取得できると思われるかもしれませんが、実際には苦戦する人が多いです。
クラッチ操作が難しい
この8時間のコースでは、クラッチ操作を習得する必要があり、小型AT二輪免許の教習では経験しなかったスラロームなどの技術も習得しなければなりません。
更に、試験を受けるために2つの異なるコースを覚える必要もあります。
さらに、ほとんどの受講生が自動車免許をAT限定で取得しているため、クラッチ操作に最初から時間がかかるケースが多いです。
小型二輪のMT車であれば軽量なため、クラッチの操作に慣れる時間を持つことができますが、中型二輪MT車のクラッチ操作は重たい車両を操作するため、どんな人でも緊張感が高まることでしょう。
したがって、この限定解除コースは短時間で免許を取得できるというだけでなく、新しい技術や操作を学び、試験に合格するためには集中力と努力が必要です。
十分な準備と練習が成功への鍵となりますので、注意深く取り組むことが大切となります。
休止や予約が取りにくい
限定解除コースは、通常の普通二輪コースと異なる進行方法を取ることが多いため、追加の指導員を配置したり、個別指導を行ったりすることがあります。
そのため、通常の普通二輪コースに比べて効率が低下することがあります。
特に、教習所が混雑する繁忙期には、限定解除コースを一時停止し、繁忙期が終了するまで新規申し込みを受け付けない場合もあります。
要するに、普通二輪免許を取得したい場合でも、限定解除コースが一時停止していると、入校することができなくなります。
普通二輪免許コースで入校しようと思っても、小型AT二輪限定免許を既に取得している場合、自動的に限定解除コースに割り当てられます。
したがって、限定解除コースが一時停止されていたり、元々そのコースを提供していない教習所の場合、入校することは難しいです。
そのため、近くの教習所で限定解除コースを提供しているかどうかを確認しておくことが重要です。
普通二輪と限定解除の料金比較
教習所によって異なる要因があるため、一般論を述べることは難しいですが、総合的に考えると、小型AT限定免許を取得し、後で限定解除を行う方が、費用が高くつくことが一般的です。
どうぞ、検討中の教習所の料金を比較検討してみてください。
また、限定解除の際には、2回試験場に行く必要がありますが、各回の費用は約4,000円程度かかります。
教習の延長や補習
私の指導経験から言いますと、限定解除コースにおいて、教習の延長や試験不合格が多く見られました。
これは、先に述べたように、クラッチ操作が理解しづらい方が8時間で教習を終えるのは難しく、それでも終えたとしても、試験で不合格になることがあるからです。
教習の延長や試験不合格によって補習が必要になる場合、追加料金が発生することがありますので、これも必ず事前に確認しておくべきです。
さいごに
今回は、通勤や通学などの目的で、一旦は小型二輪AT免許を取得することを検討する際に、留意すべきポイントについてご紹介しました。小型二輪AT車に乗っていると、道路上で通常の二輪車を見かけると、非常に魅力的に感じられることがあります。
そのため、ついつい通常の二輪車免許を取得することを考えてしまい、気づかないうちに教習所に足を運んでしまうこともあるかもしれません。
少しでも通常の二輪車に興味をお持ちの方は、免許を取得する前によく熟考することをお勧めします。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
今回の内容が参考になりましたら幸いです。もとゆき