
わたしは教習所で指導員を20年間していました。
試験官の業務を15年間担当していましたが、バイクの卒検でクランク通過中に試験不合格になる人が多かったです。
今回はわたしが思うクランクで不合格が多かった理由をお伝えします。
よろしければお付き合いください。
目次
クランク不合格の原因は音!
早速、結論をお伝えしますと、クランク不合格が多い原因は『音』にあります。
なぜなら、クランクコースの両側に設置しているパイロンに当たっても、『音』が聞こえないからです。
音が聞こえない理由ですが、
膝下ぐらいの小さなパイロンなので、当たって倒れても音が聞こえないのです。
もちろん、バイクのエンジン音も聞こえない原因になっています。
指導員からパイロンに当たっていることを言われないと教習生はわからないです。
ちなみにスラロームコースやS字コースに設置しているパイロンは腰ぐらいまでの高さがあるのですが、
大きな物なので当たって倒れると大きな『音』がするので、すぐに知ることができます。
また、パイロンに当たったときにハンドルにもかなりの振動があるので、当たったことに気づくことが出来ます。
パイロンに当たると不合格
怖いことはパイロンに当たったことを指導員が伝えないと教習生はクランクをうまく通ることが出来ていると思うわけです。
当たっていることを知らないわけですから、あたり前のことです。
ちなみに、パイロンに当たったら即不合格となります。減点はありません。当たれば不合格です。
実はバイクがパイロンに当たる箇所も決まっています。
どこが当たるのか?
後ろについているバンパーに当たります。教習車のバンパーは4か所(左右の前と後ろ)についていますが、前のバンパーがパイロンに当たることはほとんどありません。
多いのは後ろのバンパーです。しかも『当たっても自分からは見えないし、音も聞こえない』ので気づかないことがとても多いのです。
正直な話。。。
一本橋を苦手としている方は多いですが、一本橋で失敗した場合というのは100%自分自身で気づくことができますが、
クランクの場合は、自分で気づくことはかなり難しいです。
それから、正直な話をすると、練習中に指導員が100%教習生の『運転を見落とすことなく見ることが出来ているか?』というと100%は無理です。
もちろん、教習生とマンツーマンで教習をしていたら100%運転を見ることは出来ます。
しかし、二輪の教習は1人の指導員に対して教習生2名や3名の複数でやっていることが多いため、どうしても教習生のミスを見落としてしまうことがあります。
例えば2名の教習生が同じコースを走行しているのなら確認もしやすいのですが、
まったく別々の場所で走行しているとなると、教習生のミスを見落としてしまうことが発生してしまうのです。
当然、転倒などがあった場合は大きな音がするので指導員もすぐに気づくことができますが、
クランクの小パイロンに当たったぐらいでは、大きな音がするわけではないので、パイロンに当たったことを指導員が見落としてしまうことが発生するのです。
さいごに
結論として何を伝えたいか?というとクランクが出来ていると思っていて、卒検に望んだらクランクで不合格になる人がたくさんいたということです。
たまたま、わたしが勤務していた教習所だけがそうだったのかも知れませんが、わたしの経験から言えることは、一本橋で不合格にならずにクランクでパイロンに当たって不合格になっている人が多かったということです。
今回の内容は、指導員がしっかり教習生の運転を見ることが出来ていれば解決することですが、実情として複数の教習生を担当していると、どうしてもミスを見落としてしまうという言い訳じみた内容となってしまいました。
わたしがお伝えしたいことは、一本橋やスラロームよりもクランクを走行するときは十分に速度を落として、後部バンパーがパイロンに当たらないように注意をして欲しいということです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
参考になりましたら幸いです。もとゆき