わたしは教習指導員を20年間していた中で、バイクの教習を長年担当していました。教習の準備や教習車の整備をしているときに、バイク免許を考えている方からatとmtどっちがいい?と聞かれることがありました。多いときで1週間に1、2回は聞かれたと記憶しています。今回は、バイク免許のatかmtで悩まれている方へわたしの経験から感じたことをお伝えしたいと思います。よろしければお付き合いください。
結論 悩んだらmtにしましょう
早速、結論をお伝えします。わたしはat,mtで悩まれている方には、毎回mtを勧めていました。atを勧めたことは1度もなかったです。その理由は、3つあります。1つ目は、慣れるとmtの方が操作が楽2つ目は、教習の変更がatからmtには出来ない3つ目は、at免許をmt免許に変更することが大変毎回、わたしがmtをおススメする3つの理由を伝えていました。結果、ほぼ100%の方がmtを選んでくれました。この3つについて詳しくお伝えしていきます。
操作はatの方が難しい
四輪車のイメージを持っているためなのか?mtは難しそうと言われる方がとても多かったです。確かに最初は操作が難しいかも知れませんが、それはatも同じことです。普通二輪AT車はどこの教習所もビッグスクーターを使用していますが、実際、シートにまたがって見ると足つきの悪さに驚きます。メーカーによっても違いがありますが、シートの横幅がmt車よりも広いので見た目よりもかなり足つきが悪くなります。普通二輪MTはガソリンタンクがあるので、身体とバイクの密接する面積が増えることで、バイクを倒したり、起こしたりするときに使う二―グリップを使うことが出来ますが、ビッグスクーターはタンクを挟むことが出来ないので、基本的にはバイクシートに乗せているお尻を使って、バイクを倒したり起こしたりすることになります。わたしの経験から言いますと、ニーグリップが出来ないことでスラロームや一本橋といったバランスを必要とする課題がMT車に比べて難しくなります。特に低速で走行するこてが難しく、アクセルを回しながらリアブレーキをかけるという不円滑な操作を行なって、遅い速度を作る必要があります。最初はアクセルを回しながらのブレーキ操作に納得出来ないという教習生もおられました。
教習の変更はmtからatは出来る!
わたしが悩んだらMT車を勧めている大きな理由は、MT車の場合は教習開始後に途中でAT車に変更することが出来ることです。やっぱりMT車は難しいとなった場合に、そこまで実施した教習をやり直すことなく、AT教習にスライドさせることが出来るのです。最悪、『無理だったら変更すればいいや!』という気持ちを持つことで、逆にリラックスしてMT教習を受けることで、予想以上にスムーズに教習を進めることが出来るかも知れません。ちなみにAT教習からMT教習への変更は出来ないようになっています。変更する場合は、AT免許を取得してAT車の限定解除を行う必要があり、一度、試験場で免許証を交付してから教習所に再入校する必要があり、2度手間になってしまいます。
mt免許への切り替えに苦難
時期によっても変わるお話になりますが、AT限定を解除するために教習所を探すと『今はやっていません』とか『繁忙期なので限定解除コースを休止してます』と言われることがあります。近隣の教習所でやっていないとなると再開するまで待つか?遠くなっても他の教習所を探すか?になります。遠くなってもやっている教習所があれば良いですが、やっているところがどこにもない場合は最悪です。また、料金設定も割高になっている場合もありますので、限定解除コースの料金も調べておく事も大切です。
さいごに
免許取得後のことを考えると車種を限定されることなく、自分の乗りたいバイクを選ぶときに、mtであればどれでも選択することが出来ます。また、友人、知人がmt車に乗っていて変速操作を楽しんでいる姿を見ると、誰でも心が揺れるものです。at免許を解除しようと決めたときに、どこの教習所も受付をしていないとなれば自分の力ではどうすることも出来なくなります。mt教習は難しい!というイメージを持たれている場合が多いですが、わたしの経験上ではat教習の方が断然難しいと感じました。mtかatで悩まれている方は、『最悪、途中でatに変えたらいいか』ぐらいの気持ちでmt教習にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?教習、検定などで悩みが発生したらツイッターのDMからお気軽に質問してください。あなたのバイク免許取得を応援しています!最後までお読みいただきましてありがとうございました。参考になりまいたら幸いです。もとゆき