わたしは教習指導員を20年間していましたが、教習中にスクーターで一本橋を通った教習生の感想を聞くと、めちゃくちゃ難しいという言葉を聞くことが多かったです。
MT教習の場合も1hのみAT車(スクーター)に乗る時間がありましたが、MTで一本橋を通れている人も、スクーターになると落ちてしまう方がとても多く、二度とスクーターで一本橋を通りたくはないと言われる事をよく聞くことがありました。
わたしは指導で400㏄のビッグスクーターにも多くの時間乗ってきましたが、MTと比べるとスクーターの方が圧倒的に低速走行が難しいと感じました。
渋滞時に低速で走行することがありますが、バランスを崩して転倒すると最悪、後続車にひかれてしまうかも知れません。
そうならないために今回は、低速でもふらつかなくなる3つのコツをお伝えします。
よろしければお付き合いください。
速度調節
低速での速度調節の方法は、アクセルとリアブレーキを使います。具体的には、アクセルを一定に回しながらリアブレーキをかけて速度調節を行います。アクセルを回してブレーキをかけることは、不円滑に感じますがこの方法が速度調節がやりやすいです。
ただ、ブレーキパッドはすぐに減ってしまいます。
教習生の方の速度調節の方法で多く見かけたのは、前輪ブレーキを使う人が多かったです。
これは自転車のくせだと思いますが、実は前輪ブレーキは効きが良すぎるので逆にバランスを崩す原因となってしまいます。
バランスが崩れたときに無意識に前輪ブレーキに手が掛かっている方をよく見ました。
あとは、アクセルのON、OFFだけで速度調節をされている方もいましたが、加速と失速をすることでバランスを崩しやすくなってしまいます。
ハンドルを動かす
例えば速度が40キロぐらいでカーブを曲がっていくときは、無理してハンドルを動かさずにセルフステアを使って曲がっていくことができますが、低速になればなるほどバイクは左右どちらかに傾きやすくなります。その時にハンドルを左右に小刻みに動かして、大きくバランスを崩す前に修正をしてあげることで、ふらつきを抑えることができます。
肩は動かさずに肘を使います。
教習ではスクーターの場合は前輪タイヤが見えないないために、ハンドルを動かさずにまっすぐ固定したまま一本橋を通過しようとする方をよく見ましたが、残念ながらこの方法が結果的には一本橋から落ちる原因となっていました。
お尻とふとももで抑えつける
スクーターの場合は、MT車のようにひざでタンクをしめる二―グリップが出来ないので、どうしても身体がふらつきやすくなります。そうならないために意識したいことは、身体とバイクが密着する面積を増やすことです。具体的には、お尻とふとももをシートに抑えつけるようなイメージで座ることです。わたしの経験では、内またぎみにした方が、ふとももとシートの密着感が増します。しかし、わたしが指導員をしていて教習でよく見かけた光景は、普段原付に乗っているくせなのか?足を開いて座る逆ハの字になっている方がとても多かったです。
さいごに
最初から速度調節、ハンドル、着座位置の3つを行うことは難しい場合は、速度調節の練習から行い、それから、ハンドルを左右にきる、最後にお尻とふとももを意識するようにして、1つずつクリアしていくとよいです。
時間はかかりますが必ず上達します。
低速でふらつかなくなることで、渋滞時のトロトロ運転でも疲労が軽減できます。
わたしがスクーターの低速バランスで重視していることは、スクーターは大きくバランスを崩したときに、ガソリンタンクを挟むことが出来ない分、身体とバイクを密着させることが難しくなるので、早め早めにハンドルを動かして小刻みにバランスを取り直すことが、スクーターでの低速バランスのコツになります。
最後までお読みいただきましてありがとうございました
今回の内容が参考になりましたら幸いです。もとゆき