わたしは指定自動車教習所で指導員を20年していました。バイクの教習も担当して担当していました。
四輪車の教習中に、例えば壁にぶつかるような場面が発生したときには助手席の足元にあるブレーキを使って事故を防ぐことが出来ます。
一方、二輪車の教習では、例えばエンストをしてバランスを崩してバイクが転倒しそうになった時に、指導員が支えることが出来れば転倒を防止することが出来ますが、支えることが間に合わない場合は、転倒することになります。
今回の記事は、現在、教習に通われている方や免許取得を考えている方の参考になりましたら幸いです。
バンパーの役割
教習車には転倒したときにバイクが壊れることを防ぐためにバンパーがついています。バンパーは4ヵ所についていることが多く、エンジン横の左右とバイク後部マフラー横の左右に取り付けられています。
わたしが指導員をしていた時に使用していた教習車は普通二輪がホンダCB400SFで大型二輪はホンダNC750でしたが、4ヵ所にバンパーがついていました。
このバンパーのおかげで転倒したときに、マフラーがへこんだり、エンジンが地面に強打してエンジンが壊れてしまうようなことは、わたしが20年間指導員をしていた中でほとんど見ることはありませんでした。
また、バイクから身体(特に足)が挟まらないように守ってくれる効果もあります。
ミラーが割れる
前置きが長くなりましたが、転倒して壊れることが多かったのは、実はミラーでした。
具体的に言いますとミラーが割れてしまいます。
簡単に『ぱりん』と甲高い音と共に割れてしまいます。
指導員をやり始めた当初は、『ぱりん』の音が衝撃的でした。
ミラーが割れる音なんて聞いたことがなかったので、当たり前かも知れません。
わたしと同じように教習生の方もミラーが割れて驚いている方が多かったです。
わたしが指導をしている時で、教習中にミラーが割れることは1ヵ月に5回以上はあったと思います。
レバーが折れる
ミラーが割れるのと同じくらい多かったのが、ブレーキやクラッチのレバーが折れたり、ぐにゃと曲がることがありました。
これも指導員をするまでは、レバーが折れたり、曲がったりすることを見たことがなかったので、こんなに簡単にレバーは折れるものなのか?と思っていました。
当時の思い出ですが、
曲がっているレバーを元の位置に戻すためにメガネレンチで力を入れて戻そうとすると、高確率でレバーが折れたことを覚えています。
交換するための予備レバーをたくさん在庫していました。
ガソリン漏れ
現在の教習車ではインジェクションになっているので転倒したときにガソリンが漏れることは、ほとんど発生しないと思います。
キャブレター車のときは、転倒したときにキャブレターのところからガソリンがよく漏れていました。
キャブレター車の場合は、転倒したときにガソリンが漏れること自体は故障ではありませんが、
多くの教習生の方は壊してしまったと思われていたことが多かったです。
さいごに
ミラーが割れることは仕方がないことで指導員としては、ミラーの破片でけがをしないように注意をしていました。
バイクが転倒してミラーが割れている光景を見ると誰でも、慌ててバイクを起こそうとするものです。
レバーが曲がったまま教習をすることがないように、転倒後にはレバーの曲がりをよく見ていました。
曲がったレバーでは上手に操作することは出来ません。
それと、教習生からはレバーが曲がっているとはなかなか言い出しにくいものです。
しかし、この記事を見てくださっている方で、レバーが曲がっていれば遠慮なく指導員に言ってくださいね。
キャブ車の場合はガソリンが漏れた場合は、ズボンなどが汚れてしまうことがあるので、汚れても良い服を着ていく方がよいですね。
お気に入りの服を着ていくことは避けた方がよいです。
わたしが勤務していた教習所ではバイクが転倒してパーツが壊れても、教習生に弁償をしてもらう事はありませんでした。
転倒して心配していたことはケガのことでした。
おそらくですが、どこの教習所でも同じだと思っていますが、不安な場合は入校前に確認したり、すでに教習に通われている方は受付で聞いてみるとよいです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
今回の内容が参考になりましたら幸いです。もとゆき