こんにちは。もとゆきです。
バイク歴30年、指導員20年の経験があります。
大型二輪教習の1段階1時限目の内容をお伝えさせていただきます。
まず、最短時限数というのは全国の指定自動車教習所で統一がされていますので、大型二輪教習(普通二輪免許所持)の1段階は、最短5時限、2段階は最短7時限となっております。
合計12時限となります。
指定自動車教習所であれば、全国どこの教習所でも実施する内容は同じですが、各教習所で違いがあるのは、コースの規模や四輪教習との兼ね合いで教習項目の進め方に違いがあるということです。
ここでは、わたしが勤務していた教習所での教習項目の進め方で説明をさせていただきますので、お通いになられている教習所での進め方と多少異なる点が発生するかも知れませんが、その点についてご了承いただいたうえでご活用いただけますと幸いです。
各教習項目の注意点やコツについては、参考にしていただけるところがあると信じてお伝えさせていただきます。
よろしければお付き合いください。
引き起こし
最初にケガ防止のために全員で準備体操を行ったあと、最初に二輪教習恒例のバイクの引き起こしを行います。
多くの教習所で教習車としてホンダのNC750というバイクを採用しています。
一部、ホンダのCB750を使っている教習所もあるかも知れませんが、NC750に遭遇する確率の方が高いと思います。
NC750の車重は228kgありますが、実際に引き起こしをしてみると200kgを下回っているような感覚で、スムーズに起こすことが出来ます。
引き起こしのコツは、バイクが左側に倒れている場合は、左手はバイクの左グリップを持ち、右手はバイクのシート横にある教習バンパーを持つと力が入れやすいです。
あとは、身体の胸の部分をバイクのシート部分にしっかり密着させて、100m走のスタート時のスタイルであるクラウチングスタートをイメージして、半ごしの体制をつくって、一気に力を入れてバイクを起こします。
反対側にバイクを倒すぐらいの勢いでやるのが良いです。
くせとの闘い
わたしが指導していたときは、引き起こしが終わったらセンタースタンドを立てて、バイクにまたがってもらい、乗車姿勢の説明をして皆さんにその姿勢をとってもらっていました。
普通二輪免許を所持している方の大型二輪教習は『癖との闘い』で、レバー操作の指の本数やつま先の向きなどで苦労されている教習生の方をたくさん、たくさん見てきました。
一度ついた『くせ』は簡単には取れないので、本当に苦労されていました。
癖で多かったのは、ブレーキ、クラッチレバーの指の2本がけ、1本がけ、左足のつま先がギアの下に入り込んでいること、つま先が外側に向いていることがありました。
心当たりがある方は、今から意識をしておいてくださいね。
何回も指摘されることになりますww
外周、右左折の練習
外周と呼ばれる大きな道路を使って、発進、変速、減速、停止を操作を行いNC750の大型車両に慣れていきます。
教習を開始してから10分後には、走行していることになります。
ペースはかなり早めになるので、普通二輪免許は持っているけど『久しぶりにバイクに乗る』という方にとっては、少し焦るかも知れません。
ただ、いきなり難しいことはしないので操作を思い出しながら運転することを心がけてもらえれば大丈夫です。
外周を走行してバイクに慣れてきたら、交差点を使って右左折の練習をしていきます。
右折するときには、バイクを倒すという意識はそれほどする必要はないのですが、左折をするときには、しっかり減速をしてバイクを左に倒すという意識をしていないと左折大回りになってしまうことがあります。
右足でタンクを左に押すようなイメージでバイクを左に倒しましょう!
バランス練習
教習の時限は50分間ありますが、残り20分くらいからバランス練習を行っていました。
バランス練習とは、スラローム、一本橋、波状路、S字コース、クランクコースと5つありますが、残り20分でスラローム、一本橋、波状路の3つを練習していました。
もちろん、いきなり走行するわけではなく操作方法や事故防止の注意点を説明したうえで練習を繰り返していました。
スラローム
スラロームは5本のパイロンをジグザグに走行していく課題です。アクセルワークを使ってバイクをパイロンに接触することなく通過することが必要となります。
ただ通過するだけではなくて、スムーズさと速さも求められることになります。
しかも、タイム測定を行い7秒以上時間がかかってしまうと、1秒の超過につき『5点』減点されるという仕組みになっています。
なので、パイロンに接触しないように速度を落として慎重に通過するとタイムの減点になり、タイムクリアを優先して速度を上げることで、パイロンに接触すると一発で検定が中止になってしまうことになります。
両方のバランスを保つことがとても重要になります。
スラロームのコツは、前輪タイヤの走行位置がパイロンとパイロンの中間地点を通過するようにすることです。
最初は速度は控えめにして、前輪タイヤがパイロンとパイロンの中間地点を通過させることが出来ているか?を確認するように走行してみてください。
通過できていることが確認できたら、徐々にペースアップをしていきましょう!
もう一つのコツは、速度調節でブレーキを使うときは、リアブレーキ(後輪ブレーキ)のみを使うようにしましょう。
なぜなら、フロントブレーキは効きが良すぎるのでバランスを崩す原因となるからです。
速度調節をしたいときに、思わず右手を使いたくなると思いますが、そこはぐっとこらえて右足のみを操作するようにしてください。
走行位置とリアブレーキの使用!この2点がポイントになります。
一本橋
一本橋については、普通二輪の教習で苦戦をした!という方は結構多いかも知れません。
幅30センチ、長さ15メートルの台を落ちたり、足を地面につくことなく通過する課題となります。
タイム測定があって10秒以上で通過することが求められます。
タイムが足りなければ、スラローム同様で1秒につき『5点』の減点となります。
普通二輪教習のときは、7秒以上でしたが『3秒の差』は、練習をすればするほどにとてつもなく大きいと感じることになります。
いきなり10秒を目指すよりも、ポイントを抑えた練習を繰り返してタイムアップをしていく方が、結果として目標の10秒に届きやすくなります。
そのポイントですが、速度調節の基本操作としてはアクセルと半クラッチを使用するようにしましょう。
半クラッチ無しでは5秒くらいで一本橋を通過することになるので、半クラッチは必須となります。
それと、細かな速度調整はスラロームと同じでリアブレーキのみを使いましょう。
フロントブレーキは効きが良すぎるので、バランスを崩しやすいです。
ここは、リアブレーキを徹底した方が絶対に良いと強く感じています。
ただ、普段の癖からなのかフロントブレーキを使ってしまう方が多かった印象です。
速度が遅くなるとバイクは不安定になるので、バランスの修正が必要になります。
修正するときには、身体は我慢して動かさずに、ハンドルを左右にきってバランス修正をしましょう。
身体を動かさないようにするため両足でバイクのタンクをガッチリしめて、身体と頭は垂直のままでバイクのハンドルだけを左右に動かすようにします。
実は、タイヤが地面に設置する面積が変わることでバランス修正が可能となります。
身体を動かすとだいたい動かした方にバイクが傾いてしまい、そのまま何も出来ずに一本橋から落ちてしまうことになります。
タンクを挟む強い二―グリップとハンドルを左右に早め早めに動かすことがポイントになります。
波状路
波状路の課題は普通二輪教習のときには設定がなかった課題です。
悪路を立ち姿勢で通過する練習になります。
障害物として設置した段差を乗り越えていきます。
ここでもアクセルと半クラッチを使って低速を作り、ハンドルだけではなく身体も使ってバランス修正をしながら通過することになります。
実は、この波状路もタイム測定があります。
5秒以上かけて通過する必要があります。
5秒未満で通過すると『10点』の減点をされることになります。
10点は大きいですww
波状路通過時のコツは、『早く立ち姿勢をとること!』です。
これに尽きると言っても過言ではないです。
立つのが遅れてしまうととへっぴり腰になり、重心が後ろにかかることでハンドル操作がやりくくなってしまうからです。
この姿勢になってしまう教習生の方をたくさん見てきました。
その理由から、早く立ち姿勢を作ることが大切です。
立ち姿勢を作ったらタンクを両足のひざ下で挟めるように前傾姿勢をとりましょう。
ちょうど、スキーのジャンプ競技で見られる選手の姿勢をイメージするとよいです。
最初はトントンと少し早いペースで通過して、3回くらい通過したらアクセルと半クラッチとリアブレーキを使って、波状路の段差を1つずつ丁寧に乗り越えていくイメージで低速で走行することに挑戦していきましょう。
ここでも、速度調節のブレーキはリアブレーキを使用します。
さいごに
普通二輪教習のイメージが残っている方からすると、大型二輪の教習は『かなり早いペース』で教習が進んでいく感じがすると思います。
もちろん、指導するときに教習生個々の状況を見ながら進めていくわけですが、普通二輪で修得したことについては、『出来ている』という形で進めていくことになります。
そのため、少しブランクがある方は最初は『ペースが早いな』と感じられるかも知れません。
無理をせずに、わからない事や忘れてしまったことについては、遠慮なく指導員に聞くようにしましょう。
次回は、1段階2時限目で行う内容について、お伝えしたいと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
今回の内容が参考になりましたら幸いです。
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