
今回は、大型二輪教習(普通二輪免許持ち)の1段階3時限目で実施する坂道発進とバランス練習とについてお伝えしたいと思います。
指定自動車教習所であれば、全国どこの教習所でも実施する内容は同じですが、各教習所で違いがあるのは、コースの規模や四輪教習との兼ね合いで、教習項目の進め方に違いがあるということです。
ここでは、わたしが勤務していた教習所での教習項目の進め方で説明をさせていただきますので、お通いになられている教習所での進め方と多少異なる点が発生するかも知れませんが、その点についてご了承いただいたうえでご活用いただけますと幸いです。
各教習項目の注意点やコツについては、参考にしていただけるところがあると信じてお伝えさせていただきます。
早くも検定コース
この時限から、全員でウォーミングアップ走行を行うことになります。
ウォーミングアップ走行を通じて、バイクの調子と自分の身体の調子も確認するようにしましょう。
わたしが指導をしていた時は、最初に検定コースを2回先導してからバイクを降りて、検定コースの案内図のところで再確認をしてもらいながら、バランス練習の注意点と検定でのタイムなどの注意点を伝えていました。
3時限目で検定コース?は早すぎるのでは?と思われるかも知れませんが、ここから検定コースの練習をしておかないと、後々覚えることが大変になります。
その理由は、検定コースは通常2コース、3コースの複数設定になっているので取り急ぎ1つ目のコースを覚えていかないと、後々覚えることばかりになってしまい、教習に集中することが出来なくなります。

困っている教習生さんをたくさん見てきました。
その理由から、この記事を見ていただいている読者様でまだ教習を開始していないのであれば、教習が開始する前に卒業検定のコースを見ておくだけだけでも良いので、目を通しておくことをおすすめします。
それだけでも頭にコースが入っていくので、必ずコースを覚えるうえでプラスになってくれます。
教習をすでに開始されている読者様は、少しだけでも早めに教習所に行くようにして実際にコースを見ながら検定コースを覚えていきましょう。
バランス練習
検定コースの話ばかりになってしまいましたが、バランス練習で意識をして取り組みたいことは、スラローム、一本橋、波状路のタイム測定がある課題については、タイムを気にせずに成功確率を上げることです。
具体的には、スラロームはパイロンに接触しないように、フロントタイヤの走行位置がパイロンとパイロンのど真ん中を通過するようにアクセル、ブレーキの調節を行います。
一本橋は、発進のときに少し勢いをつけて台に乗り込み、そのままの勢いで極端に減速をすることなく、ひざをしっかり締めて、ハンドルを左右に小刻みに動かしながら通過をします。
波状路は、立ち姿勢に慣れるようにするため早く立って、腰がバイク後方に残ることがないように意識して身体を前方に傾けるようにします。

通過ペースは減速せずに最初から最後まで同じくらいのペースで通過するようにしてください。
最初からタイムクリアを意識し過ぎると、走行位置や姿勢などが頭から離れてしまいます。
タイムだけを見て、『合格だ!、減点だ!』となってしまい、どこに原因があるかもわからなくなってしまいます。
3時限目にS字コースやクランクコースを練習するときに気をつけたいことは、知らない間に『パイロンに接触』していることです。

実は、よく見ることがありました。
繰り返し練習していると操作に慣れてきて通過速度が徐々に速くなっていきます。
このこと自体は、何の問題もありませんし、むしろ上達しているので良いことなのですが、通過速度が上がることでその分バイクの傾きが深くなります。
この傾きが深くなったことで教習車の後輪タイヤ横にあるバンパーとパイロンが接触してしまうことがよくありました。
指導員からアドバイスを受けてもパイロンに当たった振動や音などは皆無なので、『本当に当たったの?』、『どこで当たったの?』となることが多かったです。
S字コース、クランクコースについては、繰り返しの走行で慣れてきたとしても通過する速度が上がらないように意識することがとても大切です。
坂道発進
坂道発進は普段バイクに乗っている場所が平地ばかりを走行している方にとっては、最初は戸惑うかも知れません。

その理由は、教習所の坂道はかなりの傾斜がついているからです。
おさらいになりますが、坂道発進の方法は1速でリアブレーキをかけた状態で、アクセルを回します(回転数は2000~3000くらい)、結構音が大きくなると思いますが問題なしです。
その状態からクラッチをつなげてきて半クラッチ(音が変わる、バイクが振動する)の位置を確認したら、そのままクラッチレバーをキープしてリアブレーキを離します。
するとバイクが前進しようとするので、ここでアクセルを緩めずに回したままにしておきます。
クラッチもバイクが動いたことで安心をしてすぐに離してしまうとエンストすることになりますので、坂道の頂上に進むまではクラッチの離し方を丁寧に行いましょう。
坂道の練習でよく質問された事が、坂道で坂道発進をするために止まるまでに、必ず1速に入れていないと減点になりますか?
とよく聞かれることがありましたが、止まってから1速に入れても問題ありません。
もちろん、右足を着いて1速に変えることも問題ありませんので、1速に入っているか?不安に感じたときには、必ず1速を確認してから発進するようにしましょう。
検定で3速や4速にギアが入ったまま坂道発進をして、エンストをしている方を見ることがありました。
さいごに
検定コースを覚えることが得意な人もいるとは思いますが、なかなか覚えることが出来ない!と言われる方が多かったです。
同じような場所をぐるぐると回ることになり、景色も同じなので印象付けることが難しいです。
色々な覚え方があるとは思いますが、今だったらスマホのボイスレコーダーに検定コースの順番(外周1周、坂道、スラロームという感じ)を録音して、それを隙間時間に聞くことで頭にすりこませていくことも可能だと思います。

運転に集中することができるように頑張って検定コースを覚えていきましょう。
バランス課題については、得意な課題と苦手な課題が出てくると思いますので、苦手課題については、指導員から教習終わりの講評でアドバイスがあればよいのですが、気になる点があれば指導員に質問をして再確認をしておきましょう。
きっとよいアドバイスがもらえるはずです。

気になることは質問してくださいね。
バランス課題は基本的には毎時間練習することになるので、苦手課題を把握しておいて練習回数を増やすようにしましょう。
次回は、1段階4時限目で行う内容について、お伝えしたいと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
今回の内容が参考になりましたら幸いです。
教習や検定のお悩み相談を無料でやっています。
Twitter(@moto2019)DMください。お待ちしております。
★ 操作性にすぐれたグローブです。