【バイク免許】今は下手でも卒業させる教習所が増えているのでしょうか?
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YouTubeをご覧になっている方で、バイク関連の動画を観る機会がある方ならご存知だと思いますが、「二宮祥平ホワイトベースさん」という有名なユーチューバーさんがおられます。

 

そのチャンネルで先日、「今はヘタでも卒業させる教習所が増えているのか?」というタイトルの動画をアップされていました。

 

私は20年近く教習所で指導員をしていましたので、昔の教習所、今の教習所の業界に詳しいと自負しております。

 

今回は「今はヘタでも卒業させる教習所が増えているのか?」という質問に対してわたしの考えをお伝えしたいと思います。

 

よろしければお付き合いください。

早速、わたしの結論

「今はヘタでも卒業させる教習所が増えているのか?」という質問に対して、私の答えは「NO」です!

 

もとゆき

その理由は2つあります。

 

①卒業検定のいわゆる試験の基準は厳格に決められています。

 

実は、この試験の基準は昔からほとんど難易度は変わっていないです。

その理由が下記の一例になります。

 

・卒業検定の合格基準は昔も今も70点以上

・スラロームや平均台のタイム課題の数値についても昔も今も同じタイム

・昔と今と検定採点項目の増減はほとんどありません。二輪のAT限定免許が出来たときに、ATに関する採点項目が少し増えたくらいです。

 

もう1つの理由が下記になります。

 

②免許を取ってすぐのライダーが事故を起こした場合、教習所はペナルティを受けることになります。

 

実は、卒業した教習生が事故や違反を起こすと、教習所にそのデータが届けられることになっています。

 

あや
知らなかったワ。

 

わたしが指導員をしていたときには、毎月資料を見ることができました。

 

おそらくですが、全国の教習所で同じようにしていると思っています。

 

しかも、大きな事故が発生した場合は、公安委員会(警察)から直接教習所に問い合わせがあり、教習や検定の状況を聞かれることもありました。

 

卒業生の違反や事故の件数が多いと、具体的に改善する方法を検討して公安委員会に報告をすることもしていました。

 

これは、教習所にとっては大きなペナルティで職員一同総力を上げて取り組むことになります。

 

それと、一般の方に対しても、見てわかるように各教習所卒業生の事故率を警察のHPに掲示していることがあります。

 

これも、教習所にとっては責任がかかってくる数値となるので、大きなプレッシャーとなっていました。

 

これだけは強く言えることですが、運転が出来ない人を安易に卒業させるようなことはしたくても出来ない環境となっています。

 

下記は大阪府警のHP内にある教習所卒業生の事故率になります。

よろしければ参考にしてください。

https://www.police.pref.osaka.lg.jp/kotsu/untenmenkyo/2/2/5955.html

過去から変わったこと

逆に過去と今を比べて、教習所が大きく変わったと私が感じている部分も2つあります。 

 

①指導員が優しくなったこと

 

昔は鬼教官と呼ばれる人が本当にたくさんいました。

今はサービス業の色合いが濃くなっていて、優しいと感じる指導員が大半だと思います。

 

そのため、鬼教官では指導員を続けることが出来ない環境となりました。

 

『ヘタでも卒業させているのでは?』と感じるのは、もしかしたらこの部分の変化でそう感じるのかもしれませんね。

 

しかし、これは単に言い方や教え方が優しくなった、というだけであって、基準が甘くなった、ということはありません。

 

指導員からキツイ言い方はされなくなったかもしれませんが、何時間も延長教習になったり、何度も再検定になることは、現在でもよくあります。なのでこれから免許を取られる方も、しっかりとした教習指導を受けることが当然ですので、どうぞご安心ください(笑)

 

②教習車両の性能が上がったこと

 

特に大型二輪教習車の性能が上がったことで操作性がとてもよくなったと感じています。

 

もとゆき

昔の大型二輪教習車で多かったのが、ホンダのCB750でした。

 

CB750はとても良いバイクでしたが、現在の大型二輪教習車のホンダNC750と比較すると、

CB750は車体が重くて、バイクを押して歩く取り回しや、スラロームでのバイクの切り返しを行うときに、重たさを感じることがありました。

 

その一方で、NC750はエンジン自体が軽量になっているので、CB750と比較するとかなり軽く感じます。

 

それから、ガソリンタンクをシート下に設置しているので、重量のバランスがよくて400㏄のバイクに乗っているくらいの操作性を感じることが出来ました。

 

素直にホンダさんはこんな乗りやすい教習車を作ることが出来て、『すごい』と

驚いていたことを覚えています。

私の考え

この「今はヘタでも…」という質問の背景には、ヘタな運転をしている人が多くなった、と感じていることがあげられます。

 

これについて、二宮祥平ホワイトベースさんは、「バイクに乗る人が増えたから」という意見を出されていました。

 

もとゆき

これは私もそうだと思います。

 

でも、私が「ヘタな運転をしている人が増えた」と感じる原因は、「ネットやSNSの影響」だと思っています。

 

大前提として、バイク事故は過去に比べて激減しています。

 

死傷者数で見ると 2011年の45,900人に対して、2021年は23,400人と約半数になっています。

 

死亡事故件数を見てみると、件数が多かった昭和63年の1627件に対して、令和3年で332件と約5分の1となっています。

 

ニュースでは最近、バイク事故が増えてきた報道されることがありますが、20年前と比べるとものすごく減っています!

 

つまり、ヘタな運転、事故を起こす人は過去の方が多かったんです。

 

なぜ今の方が多く感じるかと言えば、ヘタな運転、事故の情報が簡単に手に入り、身近になったからです。

さいごに

「今はヘタでも…」という質問について、私の答えはNOです。

 

また、ヘタな運転や事故を起こす人が増えたということもNOだと思っています。

 

お伝えしてきたとおり、ネットやSNSの影響でそういった情報も身近になりましたが、バイクの情報や勉強の機会も身近になりました。

 

二宮祥平ホワイトベースさんもおっしゃっていた通り、バイクに興味を持つ人が増えたことは、とても良いことだと思っています。

 

もとゆき

誰でも初めは初心者です。

 

でも昔よりも勉強や練習がしやすい環境にもなっています。

 

数はまだまだ少ないのですが、実は教習所でも卒業後にライディングテクニックを学べる機会を提供しているところが増えてきています。

 

そのような場所は、本格的なバイクスクールやサーキットよりも敷居が低く、初心者の方も気軽に参加しやすいと思いますので、ぜひ教習所でライディングも習える!ということもお知りおきいただければ嬉しいです。

 

参考記事になります。

よろしければこちらもご覧ください。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の内容が参考になりましたら幸いです。もとゆき

 

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