
今回は、大型二輪教習(普通二輪免許持ち)の1段階2時限目で実施するバランス練習とブレーキ練習についてお伝えしたいと思います。
指定自動車教習所であれば、全国どこの教習所でも実施する内容は同じですが、各教習所で違いがあるのは、コースの規模や四輪教習との兼ね合いで教習項目の進め方に違いがあるということです。
ここでは、わたしが勤務していた教習所での教習項目の進め方で説明をさせていただきますので、お通いになられている教習所での進め方と多少異なる点が発生するかも知れませんが、その点についてご了承いただいたうえでご活用いただけますと幸いです。
各教習項目の注意点やコツについては、参考にしていただけるところがあると信じてお伝えさせていただきます。
よろしければお付き合いください。
バランス練習
1時限目に、スラローム、一本橋、波状路の3つのバランス練習をしましたが、2時限目はS字コースとクランクコースを通行するバランス練習も行います。
この2つの課題は、狭い道を低速でバランスを取りながら通過することが目的です。
一本橋とは違い、低速で曲がることが必要になります。
ただし、一本橋のようにタイム測定は行わないので自分のペースで通行することが出来ます。
もちろんギアの選択も自由なので、1速と2速どちらが通行しやすいか?を試してみても良いと思います。
指導で見てきた中では、2速ギアを使っている方が多かったですね。
S字コースのコツ
S字コースのコツですが、目線がとても重要です。
S字コースの両側に大きなパイロンが設置しているので、意外と圧迫感を感じて見た目より狭く感じます。
また、パイロンに当たらないように慎重に走行しようとすると、知らない間に自車の近くのパイロンを見てしまうことになります。
目線が近くなることで、操作が遅れてしまいパイロンに接触したり、急ブレーキをかけてしまいバランスが崩れることになります。
だから、目線については、S字コースの入口に入ったら、S字コースの中間地点(折り返し)に目を向けるように強く意識します。
中間地点にきたら出口の方に目を向けるようにして、先、先を意識して見るようにして下さい。
これだけで自然と身体がバイクを傾けてスムーズの通行することが出来ます。
繰り返しますが『目線がとても大切』です。
操作面については、2速ギアでクラッチを使ってもいいですし、クラッチを使わなくてもどちらでも良いです。操作しやすい方を選択すれば問題ありません。
ブレーキは他の課題同様にリアブレーキで十分に調整することが出来ますので、あえて難しいフロントブレーキの使用は控えるようにしましょう。
クランクコース
クランクコースもS字コース同様にコースの両側にパイロンが設置しているので、圧迫感を感じることになります。
S字コースと違い、クランクコースは直角カーブになっているので、S字コースで走行している速度よりも更に遅くする必要がある事とハンドルを大きく切るという操作が必要になります。
使用するギアも1速でも2速でもどちらでも良いですが、2速を使っている方が多かったです。
クランクコース走行のコツは、両足でタンクのしっかり挟んで、バイクを傾けずにハンドルを切って通過することです。
バイクをまったく傾けないわけではありませんが、イメージとしてはバイクがほぼまっすぐ直立のまま、ハンドルを切る感じです。
なぜ?バイクを傾けないようにするのか?
その理由は、NC750の後輪タイヤ横についている、教習バンパーがクランクコース両側に設置しているパイロンに当たってしまうからなんです。
卒業検定では、パイロンにバイクであれ、身体であれ、当たってしまうと『即失格』となってしまいます。
また、普通二輪教習で通過していたときよりも、教習車が大きくなるのでその分、パイロンに当たる可能性が高くなってしまいます。
だから、バイクを傾けずにハンドルだけを切って曲がるイメージで走行するようにしましょう。
両足でタンクをしっかり挟むことを強調したのは、低速で走行していてハンドルを大きく切ったときに、バランスが崩れやすくなります。
バランスが崩れそうになったときに、力を入れたい部分は、腕や上半身ではなく両足になります。
足が開きそうになることを、我慢してタンクをぐっ!と挟むことでバイクの動きがふらつくことなく安定してくれます。
ブレーキ練習
ブレーキ練習については、最初は30キロぐらいの速度でフロント、リアブレーキを同時に使用して止まる練習をします。
慣れてきたら検定の課題速度となっている40キロからのブレーキ練習を行っていきます。
検定の課題は、40キロ以上の速度からブレーキ開始位置からブレーキをかけて11メートル以内(雨で路面が濡れている場合は14メートル以内)に停止すれば課題クリアとなります。
この時間から、40キロからのブレーキで11メートル以内の停止を目指して練習をしていくことになります。
ブレーキのコツは、必ず開始位置でブレーキをかけることです。
そのためには、43キロくらいの速度を維持しながらブレーキ開始位置に入る前に、からなず『アクセルを戻す』ことが重要です。
速度を40キロよりも多少多く出しておくことで、アクセルを戻したときにブレーキ開始位置で速度が40キロを下回ることを防ぐことができます。
ブレーキをかけるときは、フロント、リアのブレーキを同時にかけます。
晴れのときには、フロントブレーキの配分を多めにしてバイクの速度を落としていきます。
ブレーキ配分のイメージですが、晴れのときはフロント8:リア2 雨のときはフロント5:リア5くらいでブレーキをかけます。
指導時によくしていた2つのアドバイス
1つは、フロントブレーキをもっと握ること、2つ目は、バイクが停止する寸前までクラッチを握らないことです。
フロントブレーキをもっと握ることについては、効きすぎによる転倒を恐れてか?握れない方が多かったからです。
これには、普段普通二輪のバイクに乗っているときにエンジンブレーキを多用していることで、フロントブレーキの使用回数が減っていることも影響しているかも知れません。
いきなり全開でブレーキレバーを握らない限り、転倒することはありません。
徐々にブレーキレバーを握りこんでいくことで、減速感を養う必要があります。
あとは、普段のくせでレバー2本がけになっている人が多かったです。
4本がけのアドバイスをしますが、なかなかこのくせは簡単に修正することは出来ませんでしたね。
さいごに
わたしが勤務して教習所では、初回の教習は2時限連続で実施していました。
2時限の教習が終わると、皆さんくたくたになっていました。
特に、2時限目がバランス練習とブレーキ練習を繰り返し行うことになるので、普段、あまりバイクに乗っていない方からするとかなりハードだったと思います。
よく言っていたのは、帰宅してから身体のあちこちが痛くなるかも知れないので、お風呂でよくほぐして下さいと言っていました。
次回は、1段階3時限目で行う内容について、お伝えしたいと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
今回の内容が参考になりましたら幸いです。もとゆき
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