今回は、大型二輪教習(普通二輪免許持ち)の2段階5時限目で実施するシミュレーター教習についてお伝えしたいと思います。
各教習所で違いがあるのは、コースの規模や四輪教習との兼ね合いで教習項目の進め方に違いがあるということです。
ここでは、わたしが勤務していた教習所での教習項目の進め方で説明をさせていただきますので、お通いになられている教習所での進め方と多少異なる点が発生するかも知れませんが、その点についてご了承いただいたうえでご活用いただけますと幸いです。
各教習項目の注意点やコツについては、参考にしていただけるところがあると信じてお伝えさせていただきます。
ゲームセンターの機械?
シミュレーター教習は何をする教習ですか?と聞かれることが多かったです。
シミュレーター教習は、『教室内で行う教習』で実際のバイクに乗ることはありません。
バイクに乗ると思われていて、コースに出て実技の方と一緒に体操をしている方もいました。
ゲームセンターにあるようなバイクの機械に乗って教習を行います。
普通二輪の教習で体験している方もおられると思いますが、はじめて乗る方のために最初に練習を走行を行いますのでご安心ください。
わたしが指導していたときには、ヘルメット、プロテクター、グローブを着けずに教習をしていました。
シューズについては、変速操作があるので実技で使っているシューズを履いておけば問題ないと思います。
これも事前に準備する物を聞いておくと良いですね。
操作のコツ
シミュレーターの機械は目の前にあるスクリーンの映像はとても鮮明に写し出されていて実際の道路状況と同じような感覚にさせてくれます。
機械にまたがったときの感触も実際のバイクと同じような感覚で、レバーやペダルなどは実車のバイクの感覚そのものです。
発進をして直線を2速、3速、4速と速度を上げていくことには、個人差はありますが大きな違和感はありません。
問題は交差点やカーブを曲がるときです。
うまく曲がれずにコースからはみ出てしまう場面をよく見ました。
ここで違和感を感じる方が多かったです。
曲がるときのコツをお伝えしますと、意識をして先に曲がる方向へ『ハンドルを切る』ことです。
実車でもハンドルを切ることはしていますが、シミュレーターの機械では意識してハンドルを切ることでバイクが傾いてくれて曲がることができるようになります。
先にハンドルを切る!を意識してやってみてください。
酔わない対策?
シミュレーター教習で1番困ったことは、『酔ってしまう』ことです。
酔ってしまい気分が悪いと言われた方をたくさん見てきました。
そうなると教習どころではなく、酔いとの闘いになってしまいます。
しかも、教習を中断するとなるとその時間の教習は無効となり、また別日に再受講となってしまうので時間のロスとなってしまいます。
それと、1回目の嫌な経験があるので『また酔うかも』と子供の乗り物酔い状態となる可能性が高くなります。
絶対ではありませんがシミュレーター酔いをしないための対策は、『ゆっくり曲がる』ことです。
通常、実際のバイクで交差点やカーブを曲がるときに速い速度で曲がると外側へはみ出そうとする『遠心力』が発生しますが、シミュレーターの機械ではどれだけ速い速度で曲がったとしても、『遠心力』はかかりません。
この『遠心力』がかからないギャップで、酔いが発生していることが多いとたくさんの教習生の方を見て感じました。
絶対ではありませんが交差点やカーブを曲がるときには、速度計も見てゆっくり曲がることを意識してみてください。
シミュレーター教習のときにこのアドバイスをし続けていましたが、一定の効果はあったように感じています。
普通二輪教習のときにはシミュレーター教習で酔った経験がある方が、ゆっくり曲がることで酔いを感じなかったと言ってくれることがありました。
ぜひ!お試しください。
危険な場面が作れる
シミュレーターを使う目的としては、路上で発生している危険な場面を簡単に設定ができて、しかもケガをすることなく安全に体験することが出来ます。
また、その場面を再生して見ることができるだけではなく、ライダーの視点、対向車のドライバーからの視点、自転車や歩行者からの視点と色々な視点から、危険場面についての検証をすることができるのです。
交差点やそれ以外の事故ケースも全員の方に同じように伝えることが出来ることが大きなメリットだと感じています。
わたしが強調していたことは、バイクが大型二輪になっても周りからは見落とされやすいということです。
大きなバイクに乗って迫力のあるエンジンを聞いていると、自分ではとても存在感があるように感じてしまいます。
しかし、実際には、自分が思っているほど目立っているわけではなく、ライダー以外の人から見れば、普通二輪も原付バイクも大型二輪も『同じバイク』として、ひとくくりにされてしまいます。
自車が見落とされていないか?を探すように周りを見ていくことが大切であることを伝えてきました。
大型二輪は車重が重たい分、普通二輪、原付バイクよりも止まりにくいわけですから、早く危険な対象物を発見して、早くブレーキをかけることで余裕を持って対応することができるからです。
ぜひ!シミュレーター教習を受講されたときには、『早く見つける』ことに重点を置いて、教習を受けてみてください。
路上に出てから役立つ場面がたくさん出てくるはずと信じています。
さいごに
シミュレーター教習で機械を見たときに、『なんだ、ゲーセンの機械か』と思われると思います。
見た目はゲーセンの機械ですが中身は交通事故を防止するためのアイテムがたくさん詰め込まれています。
教習生の気持ちをその気にさせるのは、もちろん指導員の役目だと思っています。
ただ、受講者である教習生の気持ちというか、教習を受けるための心構えが特に大切でその気持ちがあることで教習の効果が2倍にも、3倍にもなります。
だから、ぜひ!自分自身の身を守るためにもシミュレーター教習を前向きに活用してみてください。
次回は、2段階6時限目に行う教習内容についてお伝えしたいと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
今回の内容が参考になりましたら幸いです。もとゆき
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