わたしは運転免許歴が30年で、バイクと車を普段よく運転しています。教習所で指導員をしていた経験も20年あります。
教習生さんから、バイクと車の免許を取るのはどっちが難しい?という
質問をいただくことがよくありました。
今回は、わたしの経験からその答えをお伝えしたいと思います。
よろしければお付き合いください。
結論 バイクが難しい
早速、わたしの答えをお伝えすると、バイクの方が免許取得は難しいと感じています。理由はいつくかありますが、大前提としてバイクはタイヤが2つしかないので、速度が遅くなると必ず左右どちらかに倒れようとします。
つまり、常にバランスを取る必要があるので気を抜くことができません。
四輪車の場合は、車体が大きいので車両の感覚をつかむことが難しい面はありますが、転倒する危険性はないので、大きな違いとして倒れる可能性があるバイクの方が
操作するうえでは難しいと思っています。
身体のすべてを使う
バイクが難しい理由として、バイクでMT(マニュアル車)を運転する場合は、右手、右足、左手、左足を同時に使うことがあります。
その操作に加えて、転倒しないようにバランスを取るわけですから、バイクに乗った経験がない方でも、難しそうであることは想像できると思います。
もちろん、四輪車でもMT(マニュアル車)の場合は、右手、右足、左手、左足を同時に使うことはありますが、転倒する危険性がないことと右手はハンドルに手を添えておくだけなので、バイクと比較をして操作だけで考えるとバイクの方が工程は少なくなる分、負担を少なく感じる部分はあると思います。
でも、やはり四輪車の場合は、転倒する可能性がないことが、バイクに比べると操作面で大きなメリットになっていると感じています。
卒業検定
バイクが難しい理由として、バイクと車の免許取得で難しさに差がある部分としては、卒業検定の実施方法に違いがあると感じています。
それは、タイム計測の有無になります。
四輪車の卒業検定ではタイムを測る項目は1つもありません。
これに対して、バイクの卒業検定では、MT、AT関係なく、また小型二輪から大型二輪までタイムを測る項目があります。
具体的には、小型二輪から大型二輪で共通しているのは、一本橋(平均台)を通過するときに、タイム計測を行います。
普通二輪と大型二輪では、スラロームでタイム計測を行います。
更に、大型二輪の場合は、波状路の項目でタイム計測を行うことになります。
タイム計測では、課題タイムが設定されているので、その課題タイムをクリアすることができないと、タイム減点を課せられることになります。
多くのバイク教習生さんがこの『タイム課題』による、プレッシャーに苦しめられていたと言っても過言ではないと思います。
路上教習ができないバイク教習では、課題を通過できるだけでなく一定の技術が求めらているためにタイム課題が設定されていますが、何が発生するか?わからない路上で卒業検定を行う車も、当然プレッシャーはゼロになることはありませんが、
20年間、たくさんの教習生さんを近くで見てきた経験から、やはりバイク教習を
難しく感じている教習生さんが多かったように感じています。
指導は四輪車が難しい
これも、わたしの経験談で私見になりますが、指導するうえでは圧倒的にバイクの教習生さんの方がやりやすかったです。逆に車の教習生さんは指導年数が増えていくごとに、難しさを感じていました。
これは、免許取得の受講意欲に比例すると思いますが、
バイク免許は趣味性が強いので、受講意欲が高い方が多かったです。
逆に、四輪の免許では『運転しないけどとりあえず』とか『就職のため』など
車の免許が絶対に欲しいという方は、とても少なかった印象でした。
今後この傾向は強くなっていくかも知れませんね。
さいごに
わたしの経験上で、バイク免許を取得する方が難しいとお伝えさせていただきました。もちろん、感じ方については個人差がありますし、四輪車が簡単だとは思っていません。
車体の大きな車を運転するには車両感覚が必要になります。
運転席からは見えない部分(死角)が多くなる四輪車では、車両感覚の修得に苦労されている方もたくさん見てきました。
繰り返しになってしまいますが、バイクは常に転倒する危険性があるので、特にバイクに乗りはじめの頃は操作に集中する必要があります。
そのため、腕に力が入っている教習生さんもたくさん見てきました。
練習を重ねることで上手くバランスが取れるようになって、転倒するという事をそれほどまでに意識をする必要がなくなったときに、
課題のタイムに悩まされることになってしまう教習生さんもたくさん見てきました。
この2つの点から、あらためてバイク免許の方が難しいと感じています。
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今回の内容が参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。もとゆき