家に車もないし、車の購入もお金がかかるので考えていないし、そもそも車に乗らなくても、自転車や電車で移動することに不便さを感じていないのに、車の免許を取る必要が出てきてしまったという方はたくさんおられると思います。
例えば、就職したときのためとか、親から免許取得を催促されたとか、周りの友達や知人が免許を取っているからなどなど・・・指導員をしているときに、なぜ?教習所に来ているのか?を教えてもらうことがありました。
わたしは教習所で指導員を20年間していましたが、車に乗る予定はないけど『免許を取らないといけない』という教習生さんをたくさん見てきましたし、その悩みを聞く機会が何度も何度もありました。
その経験から、運転する予定はないけど、車の免許を取る方に向けて正直に感じていることをアドバイスをさせていただきたいと思います。
よろしければお付き合いください
免許取得まで3ヵ月はかかります
車の免許を取るときには、ほとんどの方が自動車教習所へ通うことになります。その教習所も大きくわけると、通学制と合宿制にわかれます。
通学制の場合は、基本的には自分でスケジュールを調整して通うことになります。
短期コースやVIPコースというオプションに加入すると、教習所がスケジュールを組んでくれる特別なコースもあります。
ただし、そのコースに加入した場合でも、通学できる日と通学できない日を決めてから教習所にスケジュールを提出することになります。
オプションでそのようなコースに加入したとしても、プライベートとの兼ね合いで教習所を卒業するまでに早くて1ヵ月から2ヵ月くらいかかる場合もあります。
わたしは通学制の教習所で指導員をしていました。
わたしの経験上では、すべてのコースを含めて卒業までに平均してだいたい3ヵ月くらいはかかっていたと感じています。
もちろん、毎日通うわけではありませんが、3ヵ月と聞くと『長いなぁ』と感じる人の方が多いのではないでしょうか?
問題なくスケジュール通りに進めることが出来れば、負担もなくて良いわけですが、遅刻をしてしまったり、実技や学科のテストに合格できなかったりして、スケジュールに変更が発生したときに、
アルバイトやサークルなどのプライベートとのスケジュール調整がうまく出来ずに、大きな負担を感じることになってしまう場合があります。
そこで、ストレスを感じてしまい教習を後回しにした結果、教習所へ行く回数が減ってしまう教習生の方をたくさん見てきました。
大幅に期間が空いてしまうと再開するキッカケをつかめずに、そのまま放置してしまうケースが多々ありました。
期限がないことへの焦り
わたしが勤務していた教習所では、教習生さんのスケジュールを定期的に確認をして前回の教習から1ヵ月以上期間が空いている方へ、電話やメール、ハガキで『期間が空いていますが、大丈夫ですか?』のサポートをしていました。
そのサポートをキッカケに教習を再開される方が大半でしたが、少数の方がプライベートの予定が忙しいから今は教習所に行けないと言われたり、まったく連絡がつかない方もおられました。
後は、家にハガキが届いたときにご両親が、そのハガキで子供の長期欠席を知り教習の期限を心配されて問い合わせを受けることがありました。
実は、教習には受講期限があって9ヵ月以内にすべての教習を終えないといけないルールになっています。
無理にスケジュールを組んでも、長期間空いていたことでスケジュール通りに進むことは難しく、そこで更に負担をかけることになる場合の方が多かったです。
実際に何人も指導してきましたが、残念ながら期限内に終えることが出来なくなった場合も多々ありました。
仮免再入所
教習期限が切れてしまったときの救済措置はありますが、条件が限定されるのとお金が追加でかかることになります。条件とは、仮免許証を持っていて、その期限がたくさん残っていることです。
実は、仮免許証があると再入所をすることができますが、10万円以上の費用が必要となります。
しかも、仮免許証の期限内に教習と卒業検定に合格するというハードルが設定されることになるので、プライベートと教習のスケジュールが更に過密になります。
これも、本当にあった話ですが仮免再入所をしても卒業できなかった方は何人もおられました。
結論 合宿で一気に取得した方がよい
わたしが指導員として経験したことを正直にお伝えさせていただきますと、車の免許取得に強い希望がないのであれば、合宿免許でさくっと免許取得した方が絶対に良いと思っています。
なぜなら、合宿は免許を取得することに没頭できる環境になっているからです。
合宿の場合は、地方に行って教習所に併設しているホテルなどに泊まることになるので、アルバイトやサークルとの掛け持ちなどは出来ません。
それと、ほぼ強制的に約2週間で卒業するスケジュールになっていて、受講者の多くが免許取得に向けた勉強に没頭することになるので、否が応でも同じような気持ちになっていきます。
技能教習も毎日練習することで感覚をつかみやすく、路上教習では交通量が少ない場合がとても多いので、走行しやすい環境になっています。
つまり、スケジュール通りに進行しやすいです。
これは、わたしが実際に指導員をしていたときに、合宿教習所の見学という名目で研修として実際に見て、担当者の方と話をして素直に感じたことでした。
運転する必要がでたら 練習
ここまでの内容を確認してもらうことで、合宿の方が確かに免許取得しやすいと感じていただけたと(勝手に)思っていますが、よくよく考えたときに、就職して実際に車の運転が必要になったときに、『運転することができるのだろうか?』という疑問がわく方もおられると思います。
ここについては、通学で来られた教習生さんもよく口にしていました。
合宿での路上教習は、ほとんど車が走っていない田舎道を走行するので簡単だよと耳にする機会がよくあったのです。
ここについては、当たっている部分があると思います。
わたしが研修で訪れた合宿教習所は島根県にありました。
送迎バスの車中から外の景色を見ていたのですが、大阪に比べると車の数が圧倒的に少なく、交差点で信号待ちをしていても自転車や歩行者を見ることがほとんどありませんでした。
しかし、大阪の教習所で練習をしていても免許取得してから運転をしていなければ、1年間のブランクがあるだけでも、運転できると自信を持ってハンドルを握ることができる人は、おそらくごく少数だと感じています。
何が言いたいのか?
合宿であれ、通学であれ免許取得後に運転をしていなければ運転する必要性が出てきたときに、自信を持って運転できると言える人は少ないということです。
ここについての対策は、ご自宅の近くの教習所で練習をすることで自信をつけることが出来ます。
ペーパードライバーコースという名称で1時間5,000円~8,000円で練習することが出来ます。
2~3年なら 5時間あれば慣れる
実は、指導員をしていたときにペーパードライバーの方を担当させてもらう機会がたくさんあったので、その経験からお伝えさせていただきますと、免許取得後のブランクが2~3年の場合は、5時間も練習すれば運転の感覚を取り戻すことが多かったです。
助手席からのアドバイスがなくても、ほぼ自主的に運転できていました。
もちろん、個人差はありますので絶対とは言えませんが、わたしの経験上から5時間以内とお伝えしておきます。
5時間で大丈夫なの?と感じると思いますが、
入社して運転が必要な場合については、いきなり単独で運転することを命じられることは、ほぼないと思っていただいて良いと思います。
なぜなら、事故をした場合は会社の責任になるからです。
慣れるまでは、上司の方が同乗してくれる場合が大半ですのでご安心ください。
コスパもよい
費用の面で考えると、時期や教習所によって一概には言えませんが、合宿で免許を取ってペーパー教習を5時間受けたとしても通学より安くなります。調べて見ると、通学と合宿の価格差は約5万円くらいで合宿が安くなることが一般的です。
これに、ペーパードライバー教習の費用3万円を足したとしても合宿の方が少し安くなることになります。
通学 AT免許 22万円~32万円
合宿 AT免許 18万円~28万円
ペーパードライバー教習料金 5時間で相場は3万円くらいです。
いやいやの場合、強制力も必要
通学の場合で、長期欠席があって教習所からメールや電話で連絡を取れたとしても、最終的には免許を取る教習生本人が教習を受けてくれなければ、教習を進めることは出来ません。
よくあったケースは、教習生の親御さんは追加料金まで支払って、教習期限に余裕を持って間に合わせることが出来るスケジュールをお金の力で用意をしたのに、
肝心の教習を受ける子供さんが、教習を受ける気にならずにご家族でもめる場面をなんども見てきました。
ご家族が強制的に教習所へ行かそうとしても、本当に難しいと思います。
合宿の場合は、スケジュールが組まれているので半強制的に教習を受けることになります。周りの教習生も免許取得意識が高い環境になっているので、逃げることが逆に難しくなります。
通学の場合でも、最初はスムーズに教習が進んでいたけど、プライベートと教習の併用が難しくなったり、
思うように予約が取れないことがキッカケとなり、長期欠席につながっていました。
入校したのに免許を取れないまま退校することは、時間もお金も失うことになるので本当にもったないです。
あらためて、指導をしてきた経験から最後にお伝えします。
運転する予定はないけど、車の免許を取る必要がある場合には合宿で免許を取る方が良いと思っています。
教習所をお探しなら・・・自分好みの教習所を簡単に検索できます
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
今回の内容が参考になりましたら幸いです。もとゆき