こんにちは。指導員歴20年のもとゆきです。
今回は、高齢者講習の内容についてお伝えしたいと思います。
令和4年の6月までに高齢者講習で運転技能検査を行うことが決まりました。
検査と言われていますが、実態は『試験』となります。
つまり、この試験に合格しないと免許更新が出来なくなります。
ここでは、高齢者講習の運転技能検査について現在わかっていることについて元教習指導員の立場から、お伝えしたいと思います。
よろしければお付き合いください。
対象者になる方
まず、最初にお知りおきいただきたいことは、運転技能検査は高齢者講習を受講する全員の方が対象ではありません。
対象となる方は、
運転免許更新通知が届いた時点から、過去3年間に対象となる11種類の違反を1回でも犯した75歳以上のドライバーの方が受検の対象となります。
15万人もの方が対象になると予測されています。
繰り返しますが、全員の方が受講対象ではありません。
次に受講対象となる11種類の違反について見てみます。
違反の内容
情報として入っている、受講対象となる11種類の違反を並べて見ましたが、聞いたことがある違反内容が多いと思います。
・信号無視・反対車線へのはみ出し、逆走・追い越し車線の通行・速度超過・禁止場所での横断、転回、後退・踏切直前での不停止・左折時に事前に左側に寄らない・優先道路の進行を妨害・横断歩行者の通行を妨害・前方不注意・携帯電話使用など「ながら運転」
11種類の中で少しわかりづらい違反としては、『左折時に事前に左側に寄らない』ではないでしょうか?
実は、交差点を左折するときには、バイクの巻き込みを防止するために左折をする場所から、おおむね30メートル手前の地点では左へ幅寄せをしておく必要があります。
幅寄せをする数値としては、バイクが進入することが出来ない間隔としておおむね1メートル以内となっています。
この説明を高齢者講習に来られた方々にすると、『知らなかった』とか『はじめて聞いた』と言われることがよくありました。
なぜ?この説明をしていたのかと言いますと、
高齢者講習の実技で左折をするときに、左に寄らず、逆に右に車体を振ってから左折をしていく方をよく見かけたからなのです。
右に振って曲がっていく理由を聞くと、昔トラックに乗っていた経験があり、狭い道に進入するときに、
トラックの左後方部分が内輪差で壁やガードレールに接触することを防止するためだったのです。
なかには、戦車を運転していたお話をしてくださった方もおられました。
運転技能検査は1回だけ?
運転技能検査を受けることがわかったときに、不安になることは不合格になったらどうなるのか?ではないでしょうか?わたしもこの情報をはじめて聞いたときに1番に感じたことでした。
結論は、免許有効期限満了日の6ヶ月前から何度でも受検可能ですので、
不合格になったとしても、再挑戦することができるようになっています。
ちまみにこのような情報があります。運転技能検査を受ける15万人中 3.5万人が1回で合格をするのではないか?という予測がされています。
合格率にすると23%!という厳しい数値となっています。
自動車教習所などのコースで実施
運転技能検査の実施場所は、自動車教習所になります。運転免許試験場などでも実施されるかも知れませんが、多くの方は教習所で受講することになると思います。
肝心の検査内容ですが、
一時停止や右左折、段差越えの際にペダルを適切に踏み換えられるかなど5つの課題を確認するようです。
ちなみに道路を逆走して右側通行をしたり、信号無視をすると検査は即失格となります。
助手席に同乗する指導員の採点で、持ち点100点からの減点方式になります。
最終的に70点以上点数が残っていれば合格(2種免許は80点以上)です。
免許有効期限満了日の6ヶ月前から何度でも受検可能となっていますが、
現在、教習所がどこも混み合っている状況ですので、通知がきたら早めに教習所へ問い合わせをして予約を取得して頂き、早期に検査を受けることをおすすめします。
合格できないと、免許更新不可で免許失効となってしまうので注意が必要です。
さいごに
この制度が作られた理由には、高齢ドライバーの交通事故や交通違反を未然に防ぐ目的があります。
運転技能検査を通じて、危険なドライバーを排除すればいいという考えもあるとは思いますが、
わたしが指導員として講習を担当していたときに、高齢になってから車が必要になられた方や、車のありがたみが今になってよく分かると言われる方をたくさん見てきました。
だから、受検される方には、まずこの検査を通じて自分の欠点を把握して、謙虚になって事実を受け止めて欲しいです。
そして、矯正することが出来るように頑張って欲しいと本当に思っています。
検査のことや減点された項目について、少しでもわからない点がありましたら、遠慮せずに教習所の指導員になんでも聞いてくださいね。
また、新しい情報が分かれば記事を書きたいと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
今回の内容が参考になりましたら幸いです。