交差点を左に曲がるときには、ウインカーを出してバイクを巻き込まないように左へ寄せることがルールとなっています。
『そんなことは知ってる!』と言われる方は多いと思います。
では、左へ曲がる直前のハンドルの向きはどうなっていますか?
と質問をさせていただくと、
そんなこといちいち見ていないからわからないと思う方が多いのではないでしょうか?
今回は、高齢ドライバーの方が交差点を左に曲がる前のハンドルの向きについて、深掘りをしていきます。
よろしければお付き合いください。
講習で見ることが多かった右振り
わたしは教習所で指導員として20年間勤務していました。
色々な業務を行う中で高齢者講習(70歳以上の方が免許更新時に受ける講習)も担当していました。
高齢者講習がはじまったころから指導員として担当していましたが、当時から実技の運転講習は行われていました。
70歳以上のいわゆる『高齢ドライバーの方』の運転をおそらく5000人以上は見てきたと思います。
その中で交差点を左に曲がるときによく見た光景が、ハンドルを右に切ってから曲がる『右振り』だったのです。
控えめに言っても受講者の3割は右振りをしていました。
本人は気づいていない
走行後に講評で右振りになっていることを伝えると、受講者ご本人さんはまったく気づいていないのです。
『何???』という感じで聞き返されることがとても多かったです。
詳しく説明をして右振りのことを理解してもらった後に、よく聞いたことが昔、トラックに乗っていたときに右振りをやっていたというお話でした。
トラックの後輪タイヤがガードレールや壁などに接触しないようにするために右振りをしていたと詳しくお話をしてくれることがありました。
ご本人さんは気づいていませんが、くせがついたままになっていることが右振りの
原因でした。
2つの危険がある
右振りをしたときの危険は2つあります。
1つは、車の右側を走行するバイクと接触する危険があります。
なぜなら、左ウインカーを確認したバイクが右横を通過しようとしたときに急に車が右振りをするからです。
バイクが加速状態なら止まることは難しく事故になってしまいます。
もう1つは、右振りをしたことにより左ウインカーが消えてしまい、左からバイクがすり抜けをしてくる危険があります。
ライダーからすると左ウインカーが消えたことで、『左折することをやめたのかな?』と考えて、すり抜けをしてしまうのです。
このように右振りは、事故を誘発する危険性がとても高くなります。
スマホで確認できる
ここまでお読みいただいて『自分は右振りしていないか?』とご不安に思われた方は、ご自身で簡単に確認することができます。
その方法をお伝えします。
1つは、家族など同席している方に左折する前にハンドルが右に動いていないかを見てもらうことです。
2つ目は、同席してくれる人がいない場合は、スマホやデジカメを運転席が写るように助手席に置くとよいです。
右振りのくせがあるのか?どうか?を見るだけなので特段固定する機器を購入する必要もありません。
落下しないようにテープなどを使って固定しておくと良いと思います。
ドラレコをすでに設置していて車内も録画できるタイプの物であれば、今すぐに確認することが出来ます。
さいごに
右振りをしているか?自分ではっきりとわからない、思い出せないと思われた方は、ぜひ、お早いうちにご自身のハンドル操作をご確認ください。
もし、右振りをしていることがわかったら右振りをしないよう意識をして左折するようにしていきましょう。
違和感があるとは思いますが、意識することで必ず修正することは出来ます。
今回の内容が少しだけでもお役にたつことが出来、少しでも事故防止に役立つことが出来れば幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。もとゆき